(1)労働基準法の意義
本来資本主義社会では契約自由の原則が貫かれており、労働者と使用者の間の労働関係も、この契約自由の原則が貫かれるべきでありますが、そうすると力の強い使用者の言いなりの労働条件で雇われるということになり、劣悪な労働条件の下で働くことを強制される恐れが大きくなります。そこでこのような労働者保護の見地に立って、労働関係においては契約自由の原則を修正しようという考えの下に、制定されたのが労働基準法です。
「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営む為の必要を満たすものでなければならない。
労働基準法で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るよう努めなければならない。」
と規定しています。
つまり最低でも労働基準法に定められた基準を上回らなければならないが、現在上回っている条件がある場合、労働基準法ではそこまでしなくてもいいからその基準まで引き下げようとするのはいけないということです。しかし社会経済情勢の変化等決定的な理由がある場合は、引き下げることもできるという風に規定しています。
(2)適用
原則として、事業又は事業所の種類を問わず、労働者を使用するすべての事業に適用されます。
不法就労者についても適用されます。
(3)適用除外
@ 船員法による船員
労働基準法の特別法である船員法の適用を受ける船員については、一部の規定のみ適用され、後の部分は船員法が適用されます。
A 同居の親族のみを使用する事業
世帯を同じくして常時生活を共にしていることが条件です。他人を一人でも使用すれば適用を受けます。
B 家事使用人
家庭において家事一般に従事する為に使用される者(家政婦など)
C 国家公務員及び地方公務員
一般職の国家公務員のうち一部のものを除いては適用除外となります
一部の者・・特定独立行政法人及び日本郵政公社の職員等を指します。
(4) 労働基準法の特徴
@ 労働者保護の立場
弱い立場の労働者を守る為に、使用者に一定の制限を加えています。
「〜してはならない。」という表現が、条文の中に多くあります。
A 労働基準法は最低の基準を定めている。
業種、規模に関わりなくすべての会社に労働基準法を守ってもらう為に、これだけは必ず守らなければな らないという最低の基準を設定し、後は各企業にあった基準を定めてもらうという考え方から来ています。
B 労働基準法は民法のように同意がある場合の例外を許さず、強制的に適用されます。
例えば労働契約で両者が同意をして、1日10時間を労働時間として契約し、10時間を越えた場合に残業 手当を払うというようにしても、それは一切許されません。
